2011年5月13日掲載
今回の英国来訪は、たまたまウィリアム王子とケイト・ミドルトンさんのロイヤル・ウェディングを4週間後に控えた時期となり4月29日も当地で過ごすことになりました。
しかし、結婚を巡るロンドンっ子たちの反応はいささかクール。
「女王陛下は好きだけれど、他は興味なし…交通渋滞はおきるだろうし、そんな休日は(4月29日から4連休)は郊外にでるのが一番。」
「30年前も偶然ダイアナ妃の結婚式にここにいたんですよ」と言うと「ダイアナ妃は人気があったなぁ…」とこれも異口同音。騒いでるのは外国のメディアばかりといわんばかりの様子。
たしかに、4月初旬の段階では華やかな言祝ぎのデコレーションなど通りや店にも余り目につきません。
しかしそんな風景も、ロンドンのショッピング目抜き通りであるリージェント・ストリートが国旗で飾られると一変。その美しさには、道行く人も携帯写真をパチリ。
そして日を追うごとに、バッキンガム宮殿の周りの花壇が美しい花々に植えかえられ、貴賓席が着々と組みたてられて行くプロセスが通りすがりに日々分かります。
テレビでもロイヤルウェディングに関する番組(二人の出会いのドラマ、ミドルトン家の血筋を遡る番組)などが繰り返し報道されるようになり、3日前には式を行うウェストミンスター寺院内に大きな木が何本も運びこまれて行きました。
4頭立ての馬車もよくみかけますが、当日の練習なのかもしれません。
ちなみに、英国ではしきりに「Kate Middleton, Commoner」と、メディアがわざわざ「一般人」とつけくわえる点が興味深いことでした。
階級社会が根強く残っている英国では一般人が皇族と結婚するということは、ヨーロッパ諸国も含め、様々に物議を醸したようです。皇室に迎えるにあたっても、親族も含めてプロトコールなどを身につけるのに時間を要し、それが結婚までの道のりにつながったということです。
翌日には「Kate(ケイトさん)」という呼び方から「Princess Catherine(キャサリン妃)」に変わっていました。
4月はまだまだダウンジャケットが手放せない気候でしたが、きものはロンドンでも暖かく(肌着も冬物です)、纏っただけで日本にいる時以上に背筋が凜と伸びるのを強く感じます。
移民も多いロンドンではみなそれぞれに自由な姿で過ごしていますが、さすがに着物姿は目にしません。
きもの姿ですと日本人だと分かるようで「地震はこわかったでしょ」などと見知らぬ人も声をかけてくれます。
また、英国人が行っている「がんばれニッポン・チャリティ」も
きもので助っ人にお邪魔すると、喜んでいただけました。
ロンドンの赤い二階建てバスの細い階段をさっさと上り下りする姿は
珍しいようで注目を浴びました。
美術館では「その染めはどんな方法ですか」などと声をかけられ、
話がはずむこともしばしば。
公私ともに「きものの魅力・魔力・威力」はロンドンでも実感!
いつか、ロンドンできもののワークショップを開催したいと考えています。
みなさんも、海外旅行の折には浴衣などを持参してみませんか?きっと新しい何かを感じますよ。